保育園の質が悪化している。

保育所の設置に、株式会社が参入できるようになって、続々と新しい保育園がオープンしています。
私は、離婚をきっかけに、3年前に保育士資格を取得しました。

大学や専門学校の保育科を卒業した先生達とは異なり、国家試験で資格取得した私には現場実習の経験がありません。こんな机上でしか保育を知らない私でも、即決で採用してくれるのは、新規参入した法人が経営する保育園です。

新しい園に、ベテランの先生が在籍しているのは稀なことで、20代前半の若い先生ばかりでした。
保育の知識が乏しい『素人』が経営している上に、経験の少ない保育士たちが手探りで保育をしているのですから、あまり良い園とは言えませんでした。

保護者が家庭で、甘いジュースを与えてしまう為か、園で出される麦茶を飲めません。嫌がっている園児の顔を押さえつけ、口に麦茶を流し込んでる様子は、目を背けたくなりました。ゲホッゲホッと、麦茶で喉を詰まらせてしまい、地上なのに溺れてしまうのではないかと危険を感じた事もありました。

この時、「どうしてこんな事を?」と主任(20歳代)に聞いたところ、「水分を取らないと、熱中症になってしまうから!具合が悪くなっては、保育士が責任を取らされてしまうから。」と言われました。

給食の時間にも似た状況がありました。偏食がちな園児の口いっぱいに食べ物を詰め込み、その子が舌で押し出して、エプロンに落ちた物を、再び口に入れるといった様子です。

1,2歳児にこれをやってしまうのはどうなのか?『食育』と言いながら、この子が食べる事を嫌いになってしまっては、元も子もないのではないか?と疑問に思いました。

これまた主任に聞くと、「園できちんと食べさせないと、栄養失調になってしまうから。」とのことでした。偏食を正す事も、保育士として重要な務めだと思いますが、この虐待の様な行為を、保護者が知ったらどう思うのでしょうか?そこまでして、食育をして欲しいとは望んでいないのではないでしょうか?

私は、施設長と面談があった際に、これらの事を相談しました。
施設長は、保育とは全く業種の異なる経験をされてきた50歳代の男性でした。
「ボクに言われても…。ボクは保育の経験がないから…。主任がそう言っているなら、そうするしか…。何かあれば、ボクが責任を取る事になるんだろうけど。」と。

「何かあってからでは、困るでしょう。私だったら、こんな保育園には子どもを預けたくありません。もう少し、保育の現場を見たらどうなんですか?」と反論しましたが、
保護者はもちろん、行政も、こんな質の悪い保育をしているとは知る由もなく、内部の人間が改善を求めているのに、動こうとしない経営陣。

保育士不足の対策として、処遇改善などと言って、給与は上がっているかもしれませんが、子ども達の未来が暗くなりそうな予感がしてなりません。
こんなモヤモヤを抱えたまま仕事をする気になれず、私は保育業界から離れました。